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長期分散投資のメリットとデメリット
<メリット>
1. リスク分散で資産を守る
長期分散投資では、株式や債券、海外資産などにバランスよく分散することで、特定の資産の価格が下がっても他の資産でカバーできます。例えば、国内株式が下がっても、海外株式や債券がリスクを分散してくれるため、全体としての損失を抑える効果が期待できます。
2. 複利効果で資産が加速成長する
長期運用をすることで、「利益に利益が重なる」複利効果が働きます。例えば、年間5%のリターンで運用する場合、10年後には元本の約1.6倍、20年後には約2.6倍に成長する可能性があります。このように、毎年の利益を再投資することで、資産が雪だるま式に増えていきます。
3. 市場の変動に動じないで安定的に成長を目指せる
長期分散投資は、短期の値動きではなく、10年、20年といった長期の成長を重視します。そのため、短期の株価暴落や市場の混乱があっても慌てず、計画的に投資を続けられます。歴史的に見ても、株式市場は短期では変動があるものの、長期で見ると右肩上がりで成長してきた実績があります。
4. 少額からでも始められる
投資というとまとまったお金が必要と思われがちですが、長期分散投資では、少額から始めてコツコツ積み立てていく方法も可能です。月々の収入から無理のない範囲で少しずつ積み立てることで、生活に負担をかけずに資産形成を進められます。
5. 心理的ストレスが少ない
分散投資を行うと、特定の株価や資産価値に一喜一憂する必要がなくなるため、心理的なストレスが軽減されます。また、長期投資は市場の短期的な変動に惑わされる必要がないため、安心して将来に向けた運用を続けられます。
これらのメリットを活用して、安定した資産形成に向けた第一歩を始めてみませんか?
<デメリット>
長期分散投資にもいくつかのデメリットがありますので、具体的にご紹介します。
1. 即効性がなく、短期的な利益を得にくい
長期分散投資は「じっくりと資産を育てる」スタイルであるため、短期間で大きなリターンを期待するには不向きです。たとえば、株式の短期トレードで得られるような即効性のある利益が得にくいので、「すぐに結果を出したい」という方には物足りなさを感じるかもしれません。
2. 市場全体の下落リスクを回避できない
分散投資は、特定の企業や国のリスクは軽減できますが、2008年のリーマンショックのような市場全体が下落する局面ではすべての資産が影響を受けることがあります。そのため、分散していても資産価値が下がるリスクがゼロになるわけではありません。
3. 手数料や管理コストがかかる
長期にわたり複数の資産に分散して投資を行う場合、投資信託の管理費(信託報酬)や売買手数料などのコストがかかります。これらのコストが積み重なると、長期的にはリターンを押し下げる可能性があるため、手数料負担も考慮する必要があります。
4. インフレリスクにさらされる
長期投資では、インフレによって将来の資産価値が目減りするリスクもあります。インフレが進むと、たとえば今の100万円の価値が将来においては同じ購買力を持たない可能性があるため、インフレ率を上回るリターンを目指す必要があります。
5. 管理が複雑になることがある
資産を分散させるほど、保有資産の把握や管理が複雑になりがちです。たとえば、国内外の株式、債券、REITなど多岐にわたると、資産配分の調整やリバランスが定期的に必要になります。管理に手間がかかるため、運用の習慣が定着していないと負担に感じることもあります。
6. 元本割れの可能性がある
投資には必ずリスクがつきものであり、長期であっても元本割れの可能性はゼロではありません。長期分散投資がリスクを軽減できるとはいえ、予期せぬ市場の変動や長期低迷が続くと、損失が発生するリスクがあるため、資産運用には注意が必要です。
こうしたデメリットも理解した上で、リスクをしっかりと把握し、長期的な視点で運用することが重要です。
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ドルコスト平均法
ドルコスト平均法(DCA)は、投資する時期を分散させ、定額で定期的に投資を続けることで購入単価を平準化し、リスクを抑える投資方法です。この方法のメリットは、価格が上下する資産に対して、タイミングを計らずに購入できるため、感情に左右されにくい点にあります。
具体例で解説
例えば、毎月1万円ずつ株式投資信託に投資するとしましょう。この投資信託の価格(基準価額)が月ごとに変動すると、購入できる口数が異なり、次のような形になります。
この場合、5か月間で合計5万円を投資していますが、購入できた口数は 51.03口 となります。平均購入価格を計算すると、
5万円 ÷ 51.03口 ≈ 980円 となり、基準価額の平均よりも低くなります。
メリットと理由
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リスク軽減:毎月一定額を投資することで、基準価額が高い時には少なく、安い時には多く買うため、平均購入単価が抑えられる傾向があります。市場の変動に左右されにくく、長期的に資産が安定しやすくなります。
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感情に左右されない:価格が上がっても下がっても、淡々と買い続けるので、「値上がりしているから買わない」「値下がりしているから売る」という感情的な判断に左右されず、計画的な投資が可能です。
注意点
ドルコスト平均法でも損失が出るリスクはあります。特に、長期的に価格が下がり続ける資産に投資すると、損失が続く可能性があります。また、投資信託のように手数料がかかる場合、積み重なった手数料がリターンに影響することもあります。
ドルコスト平均法は、特に長期投資に向いており、安定的な資産形成を目指したい方に適した手法といえます。
投資信託の種類
投資信託にはさまざまな種類がありますが、目的や投資対象、運用方法によって大きく分類できます。以下は主な投資信託の種類とその特徴です。
1. 投資対象による分類
株式型投資信託
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特徴:株式を主な運用対象とする投資信託。
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メリット:高い成長性が期待できる。
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リスク:価格変動が大きい。
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例:日本株型、米国株型、新興国株型。
債券型投資信託
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特徴:国債や社債を主な運用対象とする。
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メリット:安定した収益が期待できる。
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リスク:金利変動や為替リスクがある。
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例:国内債券型、海外債券型、ハイイールド債型。
バランス型投資信託
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特徴:株式、債券、不動産などに分散投資。
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メリット:リスク分散ができる。
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リスク:リスクとリターンが中程度。
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例:株式60%・債券40%のミックス型。
不動産投資信託(REIT型)
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特徴:不動産を運用対象とする。
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メリット:安定した配当収入が期待できる。
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リスク:不動産市場の影響を受ける。
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例:日本REIT型、海外REIT型。
コモディティ投資信託
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特徴:金、原油、農産物などの商品市場に投資。
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メリット:インフレ対策として有効。
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リスク:価格変動が大きい。
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例:金投資型、原油投資型。
2. 運用方針による分類
インデックス型投資信託
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特徴:特定の指数(例:日経平均、S&P500)に連動する運用を目指す。
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メリット:低コストで市場全体の成長を享受できる。
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リスク:市場全体の下落リスクに影響される。
アクティブ型投資信託
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特徴:運用者の判断で市場平均を上回る成績を目指す。
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メリット:大きなリターンが期待できる。
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リスク:高コストで、必ずしも市場平均を超えるわけではない。
3. 地域による分類
国内投資信託
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特徴:日本国内の株式や債券を対象に運用。
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メリット:為替リスクがない。
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リスク:日本経済の動向に影響されやすい。
海外投資信託
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特徴:海外の株式や債券を対象に運用。
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メリット:グローバルな成長にアクセスできる。
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リスク:為替リスクや海外市場の変動リスクがある。
4. 投資信託の形態による分類
オープンエンド型
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特徴:いつでも追加購入や解約が可能。
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メリット:流動性が高い。
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例:多くの公募型投資信託。
クローズドエンド型
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特徴:一定期間、解約ができない投資信託。
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メリット:長期運用に向いている。
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例:一部の上場投資信託。
5. 配当方針による分類
分配型投資信託
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特徴:収益の一部を定期的に分配金として支払う。
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メリット:安定したキャッシュフローを得られる。
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リスク:分配金が元本から支払われる場合がある。
再投資型投資信託
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特徴:収益を分配せず、元本に組み入れて運用を続ける。
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メリット:複利効果が期待できる。
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リスク:分配金を受け取れない。
6. 特殊な投資信託
ヘッジファンド型投資信託
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特徴:裁定取引やレバレッジを用いた運用を行う。
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メリット:柔軟な運用が可能。
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リスク:高リスク・高コスト。
ESG投資信託
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特徴:環境、社会、ガバナンスに配慮した企業に投資。
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メリット:社会的意義のある投資ができる。
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リスク:テーマに特化しているため分散が不十分になる可能性。
選ぶ際のポイント
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投資目的に応じて選択(短期の利益、長期の資産形成など)。
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リスク許容度を考慮(株式型はリスク高、債券型は低リスク)。
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コスト(信託報酬、購入手数料など)を確認。
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投資対象や地域を分散してリスクを軽減。
これらを基に、自分の目的やリスク許容度に最適な投資信託を選ぶことが重要です。